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2018年09月23日

北海道胆振東部地震情報、



 【備忘用】
 JVOAD( http://jvoad.jp/ )の全国フォーラムで、ご縁ができた、篠原達治さん( https://www.facebook.com/shinji.shinohara )。
 北海道胆振東部地震で、ボランティアセンターの支援などをされています。日々の投稿、とても参考になります。

 https://www.facebook.com/shinji.shinohara/posts/1912390838853860

 9月19日の、facebook の投稿です。

 三連休が過ぎてもそれぞれの災害ボランティアセンターでは100名を超えるボランティアの協力により被災者支援活動が展開されています。
 普段なら100名を超えるボランティアを受け入れる経験も少ない小規模自治体。災害ボランティアセンターを担う社会福祉協議会も、そこに応援に駆けつけている道内の市町村社会福祉協議会も限られた職員配置の中で、精いっぱい被災者に向き合おうと努力し、ボランティアの皆さんの姿を力にかえて頑張っています。
 道外の皆さんは北海道の広さはご承知だと思いますが、自治体の実態はあまり知ることは少ないと思います。道内には政令都市札幌を含め、179の自治体があります(平成の合併以前は212)。そのうち122の自治体(約68%)は人口10,000人を割る小規模自治体。もっと言えば73の自治体(約40%)は5,000人を割っています。人口30,000人以上で「市」になれる合併特例法があっても、周辺自治体の人口を合わせてもその人口規模にはなれないのが北海道の実態です。
 小規模自治体では自治体職員は100名を割り、社会福祉協議会の職員数も限られた職員数。この状況においても市町村職員並びに道職員による応援や社会福祉協議会職員の応援が行われていることを知っていただきたい。
 さて、本日11:30~14:00は厚真町災害VCに、安平町、厚真町、むかわ町の3町社協事務局長が集い、震災後初めてとなる情報共有の場が開かれました。共通する話題と課題。各町特有の実態。それらの解決に向けた「宿題」をいただくことができました。
 この会議の中でお伝えしたのが「分母」の話し。
 安平町 8,115人 4,257世帯 避難者数245人
 厚真町 4,671人 2,181世帯 避難者数476人
 むかわ町 8,285人 4,311世帯 避難者数171人
言い方を変えると
 安平町の3%の方は避難所で生活し、97%の方は在宅避難
 厚真町の10%の方は避難所で生活し、90%の方は在宅避難
 むかわ町の2%の方は避難所で生活し、98%の方は在宅避難
更に、
 支援が必要な人が多いのは、むかわ町→安平町→厚真町の順
 家を奪われた方が多いのは、厚真町→安平町→むかわ町の順
 ※札幌市では住宅の全半壊家屋は179と厚真町の2.4倍
 どの町も9割以上の方が在宅での避難生活を送っており、既に震災前のコミュニティに戻っているということ。多くのボランティアによる支援は重要ではありますが、コミュニティに戻った9割以上の住民による主体的な支え合いも重要。そもそも震災前はそのコミュニティの中で支え合い生活をしてきたはず。
 新聞やTVでは連日のように3町の状況をそのまま伝えてはくれますが、そもそも分母を揃えていない報道が多いのが実態です(現状においても厚真への報道と支援が過密になっています)。
 「支援の方策」「支援の意図」を考える時にはこうした事実をしっかりとつかみ、分析する必要があり、単に「オモイ・キモチ」だけの支援にならないように気を配ることが重要です。

 

 9月16日の投稿
 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1908463665913244&set=a.245750648851229&type=3&theater
 むかわ町災害ボランティアセンターの公式facebookでも公開されていますが、本日の最年少ボランティアは黄色いヘルメットを被った子どもたち(ご家族の了承を得て写真を活用しています)
 この子たちにとって周りにいる380余名の大人たちの姿はどの様に見えたんだろう。被災した世帯の状況はどの様に映ったんだろう。
 災害ボランティアセンターの運営支援を担っているときに、ふと疑問に思うのが、①活動者の居住地(都道府県や市町村限定など)、②活動者の年齢、③危険という主観的判断。
 ①は、制限されているエリア以外からの参加者があっても、受付で断られるケースは見たことがない。特に胆振東部で発生た今回の地震においては、宗谷地方、渡島地方、根室地方から現地に入るよりも、新千歳空港を利用したほうが移動時間は短い。おおよその作業量やボランティア受入数の限定があるのであれば、その旨を明確に伝えることが重要。ただし、水害のように同一市町村内において被災した世帯と被災していない世帯がある場合には、住民相互の支え合いの醸成などを考慮し、市町村内限定にするのは明確な「意図」があるのかもしれない。
 ②は、作業効率やリスクマネジメントを考えると、中学生以上や高校生以上などと制限を設けざるを得ない状況はあるかもしれない。しかし、小学生でもできる活動や、子どもたちだからこそできる(有効・効果的な)活動は少なくない。2年前の台風10号災害の際にはボランティアセンターの移設先にブルーシートを張ってくれたのも小学生たち。4年前の広島土砂災害では福祉支援チームの訪問ツール(メッセージ付タオル)を作成してくれたのも小学生。今日の子どもたちは家屋の片付けと屋外への被災ゴミの搬出を担ってくれた。次代を担う子どもたちに一生で一度あるか否かの体験を用意し、少し大人になってからでもその活動の意味づけができればいいのかもしれない。未来の大人づくりに向け、活動や参加への「意図」を介在させ、子どもたちが参加できる環境とコーディネーション力を高めることが私たちに求められる。
 ③災害ボランティアセンターでは「あの家は危険だからボランティアはやめましょう」「余震が来たら危ないのでやめましょう」という言葉が一日一度は耳にする。何を持って「危険」と発しているかわからない場合が多いが、基本的に余震が続く中でのボランティア活動は常に危険が付きまとう。その危険性を理解しているはずの大人たちの多くはヘルメットを着用していないが、「危険」への「備え」をちゃんと講じている今日の子どもたちは今日の参加者の中ではかなり意識高めのボランティアだったと思う。福祉支援者は主観と客観を使い分け、意図を持って危険に立ち向かう必要がある。
 こうして考えると、災害支援は目の前の現状を回復するだけの手法や迅速性だけではなく、多くの「意図」を介在させ、1年先、10年先、100年先の未來を見据えた丁寧かつじっくりと支援の仕組みを構築することが重要なのだと考える。
 数年前から担当している日本福祉大学通信教育学部のスクーリング「地域福祉と災害ソーシャルワーク」はそうした「意図」を見つめるための講義・演習だとつくずく思った。
 明日も「意図」を持って、むかわ町へ行ってきます。
  


Posted by 飯野健二 at 09:03Comments(0)篠原達治