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2015年03月18日

「外国要人初」ウィリアムズ王子「被災地一泊」

facebook で、注目している中のお一人、JTB の毛利直俊さんの投稿からです。

覚悟、お気持ち、感動しました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150313-00010000-fsight-int&fr=fb_oa_tpc

 「外国要人初」ウィリアム王子「被災地1泊」の意味

新潮社 フォーサイト 3月13日(金)11時2分配信

 英国のウィリアム王子(32)が2月26日に来日し、3月1日までの4日間滞在した。妻のキャサリン妃は第2子妊娠中で夫妻での来日とはならなかったが、外国の要人としては初めて東日本大震災の被災地に1泊し、2日間にわたって被災者たちと交流して好印象を残した。
 ウィリアム王子は訪日中、東京都内の英国関連イベントにも出席したが、主たる訪問目的は2つだった。1つは英王室と日本の皇室の長い関係を踏まえた交流。2つ目が震災地訪問である。特に後者は王子の強い希望で、「被災者と会わないのでは訪日する意味がない」と側近に伝えていたという。
 皇室との交流では、天皇、皇后両陛下がお住まいの皇居・御所に招き、昼食をともにした。ウィリアム王子は御所の玄関に出迎えた両陛下に「またお目にかかれてうれしいです」「ご招待ありがとうございます」と英語であいさつし、握手した。両陛下はエリザベス英女王在位60年の2012年5月に訪英した際に王子と会っており、それ以来の再会だった。その後、王子は元赤坂の東宮御所を訪れ、皇太子ご夫妻とも懇談した。

■欧州25カ国大使館が一斉避難
 しかしハイライトは1泊での被災地訪問だった。過去、被災地を訪れた外国首脳はそこそこいる。しかし福島第1原発の放射能汚染が世界で取り上げられている時、福島県内に1泊した要人は私の記憶ではいない。しかもウィリアム王子は王位継承第2位である。
 外務省の儀典課に確認すると、
「確かにこれまで外国首脳は皆日帰りで、被災地に1泊した人はいないと思います。日程の都合や宿泊場所の問題もあったのでしょうが」
 と語る。
 安倍晋三首相が東京の首相官邸ではなく、わざわざ福島県に足を運び、王子の宿泊先(郡山市の磐梯熱海温泉)の旅館で歓迎夕食会をもったのは、そうした王子への感謝と共に、世界に向けて風評被害を払拭する効果的な機会と捉えたからだ。
 ただ見逃してはならないのは、ウィリアム王子の福島県内での宿泊は王子の個人的思いを越えて、原発事故に対する英国の一貫した姿勢とも通底していることだ。
 3.11直後、各国の駐日大使館の対応は原発事故をどう見るかで二分された。放射能汚染の拡大に危機感をもった国は、東京の大使館を閉鎖したり、関西以西に大使館の機能を移した。震災2週間の時点で私が数えたところ、その数25カ国に上り、多くがドイツ、スイス、オーストリアなど、放射能に敏感な欧州の国だった。
 一方、同じ欧州でも英国、フランス、イタリアの大使館は東京にとどまった。
 しかし東京に進出しているフランス企業ではパニックになったフランス人社員が特別機で一斉に帰国し、日本人社員だけ取り残され、業務がマヒする事態が続出した。後日、フォール大使(同)は日本の新聞に、
「大使館は退避勧告は出していないが、大使としておわびしたい」
 と謝罪するハメになった。

■震災時の英大使館のぶれない姿勢
 その中で英国とイタリアの対応が際立った。イタリアのペトローネ大使(当時)は、
「友好国が困難な時期に、我々は東京にとどまって連帯を証明する」
「在日のイタリア企業は日本を助けるため業務を中止しないでほしい」
 との声明を出した。
 輪をかけて見事だったのが英国だ。ウォレン大使(同)は震災2日後、支援物資を積んだ車を連ね、仙台市に入った。16日までの3日間、宮城県の南三陸町、多賀城市などの避難所を回り、英国人の安否確認や、無事だった人に食糧などの物資を配った。
 さらに在日英国人向けに英大使館のホームページで、英国の原子力専門家の見解を次々とアップし、福島第1原発から一定の距離を保てば、放射能汚染を過度に恐れる必要はないことを科学的に説明した。当時、さまざまな見解とウワサが飛び交う中で、私が一番参考にしたのもこの英大使館のホームページだ。「きちんと対応すれば大丈夫。過剰な反応こそ危険」との英大使館の姿勢はぶれることがなかった。
 この英国の姿勢の延長線にウィリアム王子の郡山市1泊があると私は感じている。英国としては王位継承第2位の王子が宿泊することで、風評被害に悩む日本を側面から応援し、日本に寄り添う英国の立場を示す意図があったとみられる。もちろん「郡山市は安全」という認識があった上でのことである。

■すべて福島県産の「11コース」
 安倍首相は28日夜、老舗旅館「四季彩一力」で夕食会をもったが、その献立である。

〈料理〉
 先付 「養老玉子」船引町おおくらの卵 郡山産山芋 生雲丹
 前菜 福島産野菜の琥珀寄せ 会津地鶏牛蒡鋳込み 阿武隈高原えごま豆腐 福島産えごま豚角煮 郡山産鯉煎餅 川俣軍鶏と胡桃の熨斗鶏 白河産うるい梅肉酢味噌
 椀物 郡山産鯉のスッポン仕立て 郡山産白髪ねぎ 露生姜
 造里 花びら盛 灯篭 細魚姿造り 鮪 鮃 帆立
 焼物 吉次杉板焼(相馬港) 酢取生姜
 揚物 天ぷら 鱈(相馬港) アスパラ 郡山産椎茸
 温物 矢祭町産柚子釜焼 郡山産しめじ 鱈白子 会津玉味噌
 強肴 福島牛しゃぶしゃぶ 福島産野菜
 食事 五目ちらし 郡山産あさか舞コシヒカリ 福島産野菜
 留椀 豆腐となめこ汁 郡山産なめこ 長沼豆腐(須賀川市) 会津田舎味噌
 水菓 「春待ち苺」 鏡石産EXベリー
〈飲物〉
 磐城壽 山廃純米大吟醸
 飛露喜 無濾過生原酒

 ご覧のようにすべて福島県産だ。メニューに産地や水揚げ港がこと細かに記載されているのは、官邸の指示だろう。飲物も福島県産で、2種類出されている。旅館によるとワインは出されなかったという。
 冒頭、安倍首相が「今日は福島のおいしい食材を堪能していただきたい。王子に食べていただくことが風評被害を払拭する大きな力になる」とあいさつ。浴衣に着替えた王子は「温かいお迎えにお礼を申し上げたい」と応じた。
 食事中、東日本大震災の際の英国からの支援や、被災者の冷静な対応振り、さらにラグビー・ワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックといった話題に話が弾んだ。それにしてもデザートの水菓まで11コース。「福島県産の食材は安全」と伝えたい気持ちが溢れた品数だが、王子はすべて食べられたのだろうか。

■「心揺さぶられる会話」
 被災者との交流では、王子は初日の28日、福島県本宮市の児童運動施設「スマイルキッズパーク」を視察した。王子はボールをお手玉のように投げ上げる「ジャグリング」を披露し、拍手を浴びた。この後、施設の外で英国の国樹であるオーク(ヨーロッパナラ)の木を子供たちと植樹し、「この木がどの木よりも大きくなるといいね。見守って、ぜひ報告してください」と語りかけた。
 翌3月1日は宮城県石巻市など沿岸の被災地を回った。石巻市では子ども3人を亡くした夫妻と懇談。メディアは入れなかったが、英王室スポークスマンは「心揺さぶられる会話が交わされた」と述べた。夫妻が明らかにしたところによると、王子は3人の子供を亡くした夫妻の話に、「私も若いころ、大切な母(ダイアナ元妃)を亡くし、少しはお2人の気持ちが分かります。母を思い出してつらい時は今日のことを思い出します」と語ったという。
 女川町では住民が獅子舞踊りや太鼓を鳴らして歓迎し、王子はがれきの中から見つかった「希望の鐘」を鳴らし、復興のために開設した商店街の人々とも言葉を交わした。各所で王子は予定をオーバーし、側近をハラハラさせたが、1日夕、日本での全日程を無事終えて次の訪問先の中国へ向かった。

ジャーナリスト・西川恵  


Posted by 飯野健二 at 19:25Comments(0)東日本復興支援