2019年09月08日

 【佐賀県基山町でのイベント】9/21(土)、立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明学長



 【佐賀県基山町でのイベント】基山町長、松田一也さん( https://www.facebook.com/kazuya.matsuda.351 )から。
 ライフネット生命の創業者、立命館アジア太平洋大学(APU)の学長、出口治明学長が、基山町に。
 https://www.town.kiyama.lg.jp/kiji0032336/index.html
 ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E5%8F%A3%E6%B2%BB%E6%98%8E

 出口さんの著書「世界一子どもを育てやすい国にしよう 」
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%82%92%E8%82%B2%E3%81%A6%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84%E5%9B%BD%E3%81%AB%E3%81%97%E3%82%88%E3%81%86-%E5%87%BA%E5%8F%A3%E6%B2%BB%E6%98%8E%E3%83%BB%E9%A7%92%E5%B4%8E%E5%BC%98%E6%A8%B9/dp/48631016860


 以前、福岡に来られた時の井上恵美さんの投稿
 https://www.facebook.com/emiinoue9024/posts/2374685139484758

 1/27 APU立命館アジア太平洋大学 学長 出口治明先生をお招きし、講演会と懇親会を行いました❣
 今回お願いしたテーマは『未来のために いま大人ができること』。
 「タテ・ヨコ・算数」で考えると、世界はとてもシンプルにとらえることができるのですね✨
 古今東西、人口が減って栄えた国は皆無。
 ですから、日本の未来を考えるとき、最大の問題は【少子化】です。
 欧米の先進諸国と比べても、日本の少子化は深刻。
 なぜか?
 日本では、いまだに【男女差別】が激しいからです。
 はい、問題は少子化❗️ その原因は男女差別❗️
 出口さん、こともなげに言い切りました。
 なんてシンプルな真理。スッキリですね
 「男女差別があると、多くのしわ寄せが女性にいく。
 最近も “ 子連れ出勤 ” を後押ししようという話がありましたが、“ 子連れ出勤=母親がするもの ” という前提で話す人が多い。これで、女性は赤ちゃんを産みたいと思うでしょうか?」
 男女平等の度合を示すジェンダーギャップ指数、
 日本は149か国中、110位。
 「GDP世界3位の国が、男女平等では110位。なぜこれをガマンしなければいけないのでしょうか? 
 女性の皆さん、もっと怒ってくださいね」
 モンスターなクレームと、まともな抗議は違うのだ、と。
 出口さん、このくだりで「怒りましょうね」と3たび繰り返されましたよ
 “怒り” についてまた1つ、尊敬できる方からの素敵な言及をいただきました!
 では、男女差別を是正していくにはどうしたらいいか❓
 これまたシンプルな話です。
 「クオータ制しかありません」
 取締役や議員など、一定の割合をあらかじめ女性に割り当てる。
 日本ではまだまだ「逆差別では?」「女性も嫌がってる」と賛否両論あり、そもそもクオータ制という言葉すら知らない人も多いのでは…? と井上は思うのですが、
 「クオータ制は成果につながる。これはハッキリしたファクトです」
と出口さんは断言します。
 極論すればあみだくじでもいいから、議員や役員の女性を増やすべきだそうです(笑)。
 「女性が管理職はしんどそうと敬遠してしまうのは、ロールモデルがいないからなんですよ。男性は、男性同士で飲みに行ったら、「部長は権限もあるし面白そうやなあ」と教えてもらえるでしょう」
 確かに❗️
 後半、質疑のコーナーにて、不肖わたくし、
 「私も含め、女性は “男性に比べ収入もキャリアも人脈もない自分が、意見を述べたり前に出ていいんだろうか?” と思いがち。どうしたら女性は自信をもてるでしょうか❓」
とお尋ねしたところ、明るいご回答でした。
 「今なんも持ってないから、これから何だってできるんですよ だって、のびしろしかないじゃないですか。
 既得権をもつ人ができることなんて、たかが知れてたりするもんです」
 “今、日本で希望があるとしたら女性の存在だ ” とまで言われてましたよ。
 以下は、ビジネスと教育が密接に関係するところでもあり、とても興味深いお話です。
 これからの日本は「幸福度」を追い求めよう、という人がいるけれど、
 これからの日本にこそ、経済成長が必要。
 なぜなら、世界一の高齢社会だから。
 高齢社会は、莫大な年金や医療費を必要とする。
 経済成長がなければ、国はみんなで貧しくなるしかない。
 今、世界をリードするGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)はすべてアメリカ企業。
 それを追う綺羅星のような予備軍・ユニコーン企業すら、日本にはゼロ❗️ これは世界のメディアや調査機関の共通認識だそうです
 GAFAやユニコーンの創業者や役員は、
・めちゃ高学歴(Wマスター=修士以上、しかも「数学と歴史」「物理と文学」のように文理の垣根を超越するダブル)
・めちゃとがった変人(ex スティーブ・ジョブズ)。中退など学歴は低い。
このどちらかである。そして、例外なく、多国籍企業。
 Googleでは、履歴書や人事考課のための個人資料から、学歴はもちろん、国籍、年齢、顔写真すらdeleteしているそうです。偏見の原因になるから。
 「今までその人が何をしてきたか❓」
 「今、何をしているか❓」
 そして「将来 何をやりたいか❓」
その3つだけで十分なんだ、と。
 翻って、日本では未だに製造業向きの教育をしている。
 素直で我慢強く協調性があり、上司に従順な人間が良しとされる。
 決まった工程を、疑問を持たず粛々とこなせる人間。
 「もちろん、ものづくりは大切です。けれど今やGDPで製造業が占める割合は2割弱。従順で空気を読む能力に長けた “製造業向き” の人材がイノベーションを起こせるでしょうか❓」
 一斉講義で教師が教えるのではなく、子どもたちに考えを言わせる。子どもたちが教え合う。
 ヨーロッパではそれが教育のスタンダードになっている。
 クラス全員の顔が違うように、心の中も当然違う。
 だから、子どもには「考えてることは言わなきゃわからないよ」と教える。
 親は「我が子と他の子を比べない」ことが必須。
 後半、ご参加の方から子育てについていろいろな質問が出るたびに、
 「比べない」
ことを出口さんは繰り返し説明されました。
 1人1人、脳は違うのですから。
 (日本が誇る脳科学者、池谷裕二 著『パパは脳科学者』が出口さんの激推しです❣)
 「今、日本で価値があるとされているものを持っていなくても、なんてことないんだな。むしろ希望の種かもしれない」と思いましたよ。我が子もそうだし、女性である私自身も。
 なんたって、出口さんに言わせれば
 「だから、『東大か、APUか』なんですよ」ですから(笑)。
 すさまじく引きの強いフレーズに痺れました(笑)。
 めちゃ高学歴を目指す人は東大へ。
 そうではない、とがった変人(←日本的に言えば変態やオタク!)は、APU立命館アジア太平洋大学へ!
 わかりやすい❣
 そして、子どもたちに「自分の考えを言いなさい」と教えるのなら、まずは私たち大人がそういう姿を見せたい、と あらためて思いました。
 ワークライフバランス研究所では、月に一度のプレゼン勉強会にて、多様な参加者でカジュアルなディスカッションをしていますよ❣ 次回は2/11(月)10:00~です。どなた様もお気軽にご参加ください
 https://www.facebook.com/events/141366750113157/
 さて、出口さんからは、質問に答える形で「働き方改革」にも言及がありました。
 定年はいらない❗️ 人間、元気なうちは働けばいい。
 働くことは健康にも役立つ。元気な高齢者が増えれば医療費も減る。
 ナベツネさんを見てごらん、あんなに元気で稼いでいる人に年金は必要ないでしょ?
 定年をなくすには、年功序列をなくさなければらなない。もちろん新卒一括採用も。
 高齢化の日本。だからこそ、
 young support old から、【all support all】 へ。
 「〇才以上に給付」という一律ではなく、年齢関係なく、困っている人に給付する。
 「所得税と住民票」による社会保障から、「消費税とマイナンバー」へ。
 必要なのは、そのパラダイムシフトなのです。
 ◆
 出口さんは言います。
 『大人の仕事は、次世代を育てること。』
 そのためには、「行動」しなければならない。
 行動しなければ世界は変わらない。
というか、行動しても そう簡単には変わらない(笑)。
 賢い人は、可愛がられて生きていくため、自分を世界に適応させる。
 けれど、賢くなれない人が黙らずに声を上げ、行動し続けたから世界は変わってきた。
 (町おこしをするのは、「よそ者・ばか者」と相場が決まってる!とのこと)
 行動するときに必要なのが「知識」です。
 知識を得るためには、「人・本・旅」。旅とは現場に行くこと。
 これも本当に、シンプルな理論ですね✨
 「どうやって声を上げたらいいでしょう❓」と質問が出ました。
 「SNSがあるじゃないですか」と出口さん
 インターネットの普及で、発言コストは限りなく低くなった。弱者が手にした武器です。
 「それに、SNSに書くのは、知識を頭に落とし込むための最良の方法なんですよ。
 facebookやtwitterに書いたって、たいてい誰も見やしません(笑)。
 それでも「誰かに見られるかも」と思うと、自分一人の日記帳に書くのと違って、ちゃんと考えて書くのです。人間の脳はそういう仕組みになっています。
 お客さんが来るから綺麗にそうじする。誰も来ない部屋の掃除は適当になるのと同じです(笑)」
 めっちゃわかります❗️
 私、だから20年近く、記録はweb上にしています。
 長文でも雑文でも、今と未来の自分のための文章なのです。
 しかも、それを読んでくれる人がたまにいるから一石二鳥。
 うれしいお墨付きを出口先生からいただきましたので、安心して長文を書きました(笑)。
 最後までおつきあいくださった方がいたら、ありがとうございます
 他にメモしときたいことはコメント欄に書きますね~
 (まだ書くんかい)
 出口さんは、ことさら声を張ったりアジテートしたりはせず、淡々と、でもハッキリと語られます。
 必ずファクトの裏付けがあり、ユーモラスで説得力あるたとえ話を添え、にっこり素敵なスマイル。
 その魅力にみなさんがすっかりまいっちんぐ(古)なのが見てとれました
 続く懇親会でも、いくつもの人の輪で、笑い声や熱心な懇談が
 みなさんが刺激と興奮、大満足の面持ちで帰られる様子が本当にうれしかったです。
 あらためまして、昨日の主催はワークライフバランス研究所、会場はデジタルハリウッドSTUDIO福岡でした。
 みなさまの熱気で、そしてご協力やお気遣いもいただいて、とても充実した時間になりました
 出口先生、みなさま、本当にありがとうございました❣
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします❣

 井上さんがAPUに行った時の投稿
https://www.facebook.com/emiinoue9024/posts/2296570290629577

  「人を成長させるのは人・本・旅である」
 ライフネット生命の創業者であり、今は立命館アジア太平洋大学APUの学長をつとめる出口治明さんの哲学です。まさに私にとって【人・本・旅】の一日となりました。
 雁瀬さんのお誘いで、出口さんをお訪ねするというまたとない機会をいただきました! 
 すばらしい晴天の別府湾に迎えられ、APUのシンボル、ツインタワーをくぐって学長室へ。ご多忙な中、取引先でもなんでもない私たちと会ってくださることも驚きですが(もちろんお約束してうかがいましたよ)、何をお尋ねしても、なんとサクッ・ズバッと答えてくださることでしょう!!
 「もっとたくさんの子育て世代と一緒に学び合いたい。育児に仕事に忙しいみなさんに、どうやってアピールしたらいいでしょうか?」と質問すると、間髪入れず
 「発信量が足りない。発信するしかないですよ」と。
 「質より量ということでしょうか?」
 「量が質になるから。最高のスパイという話を知っていますか?」
 二流のスパイはgiveしてすぐtakeを求める。
 一流は、give & give & give & give & give & give…見返りを求めない。
 こんな洒落たエピソードで説明してくださるなんて! 一生忘れないですよね。
 そもそも、この日、私たちの質問に次々答え、資料や関連書籍を教えてくださる出口さんが、「惜しみなく与え続ける姿」そのものだったのです。
 『子どもをもつ女性が罪悪感なく、生き生きと働き続けられる社会。“孤育て” に苦しむ女性がなくなる社会。』
というテーマについては、
 「当たり前の話ですよね。とにかく“3歳児神話” なんてもんはデタラメやと、もっと知らしめていかな」
 「育児は母親がするもんやなんていう人には、『じゃあアナタ、上司と2人きりでずーーーっと狭い部屋にこもって仕事したいですか?』と言ってやればいい」
 一刀両断!!
 子どもを可愛がる気持ちはオキシトシン・ホルモンによるもの。母親は出産時、すでに大量分泌される。では男性は? 子どもと接すれば接するほど、オキシトシンが分泌される。脳科学でハッキリと実証されていること。だから父親は、子どもが生まれたら育児参加しなければならない。子どもが可愛いから育児するのではなく、育児するから子どもが可愛くなるという順番なんだ・・・。
 日本が誇る横綱級の脳科学者、池谷裕二さんの著『パパは脳研究者』を引いて教えてくださいました。出口さんはライフネット生命時代、社員を集めてこの本について自ら講義していたため(!)、男性社員は2か月、3か月と育児休暇をとる人が多かったそうです。
 まさに博覧強記とは出口さんのためにあるような言葉で、頭の中の膨大なライブラリーから、話者に合わせて自在に取り出して教えてくださいます。
 午後の来客までたまたま時間があるからと、学食でランチまでご一緒させていただいたのですが、そこでたまたまそばに居合わせた1回生の女性が「中東を勉強したい」と言うと、出口さんはすぐにカレン・アームストロングの名著『ムハンマド』をおすすめし、彼女が続けて「APUに入学してイスラムの学生と話して、豚肉を食べるとは彼らにとってどういう感覚なのか初めてわかった」と話すと、「これを読むといいよ」と、お食事の手を止めて八木久美子著『慈悲深き神の食卓』の表紙をスマホで検索して示されました。
 その様子を隣で見ながら、「テレビで見た光景と同じだ! ふらっと学食に現れた出口さんが、学生に親しくアドバイスしてる!!」と内心、興奮を押さえられない私が…(笑)。
 出口さん、「だって(APUは別府の山の上という立地のため)ここしか食べるとこないから。国会議員の人が来たって、ランチはここですよ」と笑います。学食でも、特に海外からの学生さんたちは、「ハーイ!」と気軽に出口さんに挨拶していましたね。
 出口さんにお会いすると、洩れなくたくさんの【本】もご紹介いただける! …というところで、いったんこの長い記事を締めまして・・・(そうそう、私は持参したご著書にサインをいただきましたよ!!)
 この【旅】の話はまだ続きます。立命館アジア太平洋大学のキャンパス・ツアーに連れて行っていただいたのです。そこでは【人】との出会いもあり。また別記事で投稿しますね~!  


Posted by 飯野健二 at 07:55Comments(0)出口治明

2019年07月20日

「誰も政治を教えてくれなかった」人たちへ。APU学長の出口治郎さんから。



  【備忘用】今年、ご縁ができた、前ライフネット生命株式会社会長、APU学長の出口治郎さんからです。

 「誰も政治を教えてくれなかった」人たちへ

 https://politas.jp/features/10/article/494?fbclid=IwAR0aMeVp9CN6nhGvLCiKuAVec4IihNmiH3XDU6psplME4MePHRO4AhwZRoM

 自分のアタマで考えよう
 最近の日本はお金がある人とない人の格差が大きくなり、若者や子どもの貧困が問題になっています。現在貧困に近い生活を送っている人は、どうやってそこから抜け出せばいいのでしょうか。
 私が代表を務めるライフネット生命には、高校を中退して働いていたものの、通信制の高校に通い単位を取得、その後、一念発起して大学試験を受けて大学に入り、入社した社員がいます。
 しかし、身も蓋もない言い方ですが「受けた教育のレベルが低いと、いい仕事につける確率はぐんと低くなる」というデータがあるのも事実(労働政策研究・研究機構「ユースフル労働統計2015」)。中卒と大卒とでは、生涯賃金に1億円近い差があるのです。

 この国には小学校にも行けていない子どもがたくさんいる
 一方で、厚労省によれば現在、子どもの6人に1人、ひとり親の子どもの6割が貧困層にいると言われています。にわかには信じられないかもしれませんが、この国には小学校にも行けていない子どもがたくさんいるのです。
 たまたま貧しい家庭に生まれ、まっとうな教育を受けられなかったばかりに、一生低賃金で働き続けなければならない。これは社会全体で解決すべき問題です。マクロな話をすれば、政府が打つべき対策は、貧困層、特に子どものいる層への補助を厚くしたり教育を無償化するなどして、子どもたちに等しく高度な教育を受けさせること。そして、自分のアタマで考えられる大人になってもらって、貧困の連鎖をつくらないことがいちばんでしょう。自分のアタマで考えるクセがついている人は、必然的に稼ぐ力も身についてくるのです。しかし現状、日本の教育支出総額の対GDP比は、OECD平均を著しく下回っています(OECD「図表でみる教育2014」)。これは、将来を考えると由々しきことだと思います。
人生を切り拓く意味でも、悪徳業者のカモにならないという意味でも、自分のアタマで考えることは重要です。わかりにくい政治や経済も、ひとつずつ知識を積み重ねて思考を深めていくことで、主体的に選択できるようになります。それがじゅうぶんなリテラシーがあるという状態なのです。
 政治に関するリテラシーが身につけば、選挙で「何をすべきか」がわかるはずです。「行かない」という選択とはどういうことなのか、そもそも政治家とはどういう人種なのか。根本的にわかっていないから、考えること自体を放棄してしまうのでしょう。

 政治家なんてろくでなしばっかり
若い人のなかには「選挙に行っても世の中が変わる感じがしない」だとか「ピンとくる候補者もいないし、結局誰が政治家になっても一緒」と思っている人も多いでしょう。しかし、そのように政治に対してネガティブな思いを抱えているということは「いまの政治はよくない」と思っていることの現れです。そうであれば、いまの与党と逆の候補者を選べばいいのです。
女性が立候補していればその人に投票すればいいし、女性候補者がいなかったら歳の若い順に入れていけばいい
ピンとくる候補者がいなくても、ちょっと考えればいくらでも選べます。たとえば日本は、他国に比べて女性の政治家が圧倒的に少ない。あと、若い政治家も少ない。だったら、女性が立候補していればその人に投票すればいいし、女性候補者がいなかったら歳の若い順に入れていけばいいでしょう。乱暴に思えるかもしれませんが、それも政治を「変えたい」という立派な意思表示です。
だいたい、政治家になりたい人には本来、ろくな人間はいないのです。あ、これは僕の考えではなくて、20世紀を代表する大政治家であり、第二次世界大戦を勝利に導いた連合王国の首相、チャーチルが言っていたことですからね。
 チャーチルは、「選挙に出たいやつなんて、ろくでなしばかりだ」と言っていたんです。「選挙に出るやつなんて、金儲けしたいやつか、目立ちたがりのやつばかりだ。まっとうなやつは選挙になんか出ない」と。
チャーチルは自分自身が大政治家でしたから、この言葉には説得があるでしょう? でも、ろくでなしばかりだから誰にも投票しなくていい、と言っているわけではないのがチャーチルの偉いところです。彼は、こう言ってます。
 「選挙とは、いまの世の中の状況で、ろくでなしのなかから誰に税金を分配させたら相対的にマシになりそうか、消去法で選ぶ行為のことだ。選挙とは要するに忍耐である」
 そしてさらに、あの有名な言葉、
 「だから、民主主義は最低の制度なんだ。これまで試みられてきた皇帝制や王制など、ほかのあらゆる政治形態を除いては」
が続くのです。
 およそ100年以上前にチャーチルがここまでていねいに説明してくれているのに「いい候補者がいない」と言って棄権するのは、勉強不足と言うほかありません。だからこそ、先進国でいちばん投票率が低い国のひとつという不名誉なデータもあるわけですが(2014年12月の衆院選投票率が52.66%で戦後最低だったのはまだ記憶に新しいでしょう)。
 選挙に行かないのは、完全服従の証です。みなさんの税金がどう分配されようと、将来年金を払ってもらえなくても、医療費負担が10割になっても、決して文句は言いませんよ、という意思表示そのもの。つまり、選挙に行かずに「不安だ」と言うのは、テスト前に勉強をせずに「悪い点数を取ったらどうしよう」と布団にくるまっているようなものなのです。

 選挙のとき(一生役立つ)ハウツー
 欧米の先進国では、選挙について中学校や高等学校で「社会人として当然知っておくべきリテラシー」を教えてくれます。一方、日本は「衆議院の議席数はいくつか?」など、ペーパーテスト用の知識は教えるけれど、どうやって投票する候補者を選ぶのか、といった生きた知識に関しては驚くほど無頓着です。
 しかも、このペーパーテスト用の知識は、世の中に出たときにはまったく役に立ちません。ですから日本人は「世の中リテラシー」が低いままなのです。
 せっかくですから、選挙のときに具体的にどう対応すべきか、北欧の学校で教えられている「一生役立つハウツー」をひとつだけあげておきましょう。
 まず、選挙がはじまると町中にポスターが貼られ、選挙カーが走り出し、候補者たちが必死にアピールをしますよね。そしてしばらく経つと、マスメディアが勝手に事前予想を出してきます。「○○党が優勢」「候補者Aが高い支持を集めている模様」というような情報を、みなさんも見たことがあるでしょう。
 それで、もしみなさんがこの事前予想の風向きに賛成だったら、とるべき手段の選択肢は3つ。この3つのなかであれば、どれを選んでも構いません。結果は同じだからです。
 (1)選挙に行ってその人の名前を書く
 (2)白票を出す
 (3)棄権する
 ただし、事前予想が自分の考えと違ったら、とるべき手段はひとつだけ。
 選挙に行き、違う人の名前を書く。これだけです。それ以外に、あなたの意思表示の方法はありません。これが、選挙というものです。
 どんなに勉強ができない人でも、主義主張がなくても、この方法を教えてもらったら自分の考えを表明できますよね。18歳以上に選挙権を付与することになったとき、高校生がアンケートに「選挙や政治のことはよくわからないから不安だ」と答えていました。でも、このノウハウを知っていれば、そんな言葉は出ないはずでしょう。
 「教えてもらえない→知らない→不安になる→行動しない」という負のスパイラルをつくってはいけません。
 この話は、昔ロンドンで働いていたときに知り合いのデンマーク人に聞いたものですが、北欧では学校で「政治の概念」などのつまらない抽象論ではなく、こういった、「僕たちはいったい何をなすべきか」を教えてくれるそうです。その成果なのか、北欧の若者の投票率は、なんと80%近く。日本の20代の投票率32%から約50ポイントも高い数字をたたき出しているのです。世界の先進国からみれば、わずか30%の若者しか選挙に行っていない日本が異常なのです。
 昔の選挙のときに、「無党派層は家で寝ていてくれればいい」という趣旨の発言をときの総理大臣がしたことがありました。ちょっとした騒ぎになったので、覚えている人もいるかもしれません。でも、このデンマークで教えるノウハウを知っていれば、「いまの政権与党からすれば、選挙権のある市民に余計な行動をしてほしくないんだな」と、その真意がわかったことでしょう。

 白票や棄権は、有力な候補者に票を入れるのと同じ
 同時に、「よくわからないなら白票を出せ」とか「棄権も立派な意思表示」などの発言をするバブルおじさんは信じてはいけないということもよくわかります。白票や棄権は、有力な候補者に票を入れるのと同じ結果になるのですから。
 日本の公民の教え方は、とても政治に興味が湧くような構成にはなっていませんよね。わざわざ思考停止をさせて悲観的な人間をつくろうとしているんじゃないか、と思えてしまうほどです。もちろん、そんな陰謀論を本気で思っているわけではありませんが。
 みなさんは、自分たちの日々の生活でも大変なのに、政治のことなど考えていられない、と思うかもしれません。選挙には行っていない、という人もいるかもしれません。
 政府と市民であるみなさんは、切っても切れない関係にある
 けれども、みなさんの不安は、自分が一所懸命働いて、お金を楽しく使えばすべてが解決するものかというと、決してそうではないのですね。政府と市民であるみなさんは、切っても切れない関係にある。政府は、みなさんが選挙に行って、みなさんがつくるものであって、みなさんの対立物ではないのです。
 若いみなさんは、もっとマクロな視点で世の中を見てみてください。その際に大切なのは、数字とファクト。そしてそれをもとに自分のアタマで納得できるまで考えようとする姿勢です。普段からそのクセをつけておけば、いたずらに不安になることも、バブルおじさんにだまされることも、メディアに煽られることもなくなるでしょう。  


Posted by 飯野健二 at 19:21Comments(0)出口治明